対話 #1
今日のお題は何にしよう…
傍にあったタロットカードを引いてみる
カードをシャッフルして 引いたカードは
「15 THE DEVIL(悪魔)」
予想外のカードで 一瞬 ひるんだけど
でも 引いたらからには
このテーマで語り合いましょう
「THE DEVIL」のカードは ”これが悪魔だ” という
何か指し示すことができるものを意味してるわけではなくて
いわゆる 人間が持つネガティブな側面を象徴してる。
執着 依存 様々な欲望…
諸々ひっくるめて 社会通念上 善悪でいうところの悪
エゴイズムだとされる部分。
アイキャッチ画像は クロード・モネの『睡蓮』
美術に精通してるわけではないけど 彼が印象派だということは知ってる。
これを機に改めて印象派とはを検索してみたら
「描くものの輪郭や色ではなく、描く対象の周りの光や空気感をとらえようとした手法」とのこと。
絵具の色を混ぜず 筆でひとつひとつ色を並べて描く色彩分割法という技法が特徴で
それによって 自然の光の明るさや空気感をキャンバスに表現した。
印象派登場当時は 全く評価されず人気もなかったようだ。
そういえば 印象派の絵を初めて見た人が 絵に描かれていた霜か何かを
自分のメガネが曇っていると思ったらしいと どこかで聞いた覚えがある。
町の中に描かれた人々が 石に見えたという声もあったんだとか。
印象派の画家たちは 自分の目に映る現実をそのままキャンバスに写すことを重視した。
しかしそれらは 他者とは同じではなく ズレがあるはず。
光 色 濃淡
完成した絵は 作者が そう見た世界。
そしてまた それを鑑賞する人ごとに その世界は繰り広げられる。
世界は どこまでいっても 共通ではなく 類似の世界。
唯一ではなく グラデーション。
ルノワールもまた印象派を代表する画家のひとり。
ルノワール自身が捉えた 光と影の一瞬が描かれている。
今日のテーマから かけ離れているようで 上手く言い表している。
そう。
「THE DEVIL」のカードが伝える側面も
人間が持つ 色々な側面のうちのひとつに過ぎない。
ただ そういう部分というだけ。
他方で
その側面によって 境界線が引かれ
個々が存在している。
あなたの好きなこと わたしの好きなこと。
あなたの意見 わたしの意見。
あなたの想い わたしの想い。
あなたのわがまま わたしのわがまま。
あなたとわたしの境界線。
ステンドグラスの くっきり引かれたケイム(鉛線)みたい。
Notre-Dame-de-la-Chapelle Brussels, Belgium
哲学者ニーチェは エゴイズムの源泉となるエネルギーを
「力への意志」と表現した。
彼の言説では 「力への意志」を抱えた自分を素直に認め
人生のどんな状況においても 強い自分を保持して
自分の運命を愛して生きていこうと説いている。
「THE DEVIL」のカードは
自分の中にある ネガティブだとされる側面から目を逸らすなと伝えるカード。
そこを通過しなければ その先にある「21 THE WORLD(世界)」には
辿り着けない。
ひとつひとつの側面につけられた善悪の解釈は 人間都合によるものであって
真実ではない。