次代の幕開け
過去から現代に至るまでにいろいろな時代区分がされている。縄文時代とか、戦国時代とか、江戸時代とか、いわゆるそういうやつ。その区分は、研究者ごとに異なる学説もあるが、私たちは国が許可した教科書を正として過去の時代を学ぶ。
それとは別にここ数年よく耳にする時代というものがある。それは地球規模、宇宙規模で移り変わっていくもののようで、例えば「風の時代」。
これは占星術の世界での考え方で、水の時代、火の時代、土の時代、風の時代と200年周期で移行していくという。今はちょうど、これまで続いた地の時代から風の時代へ移行している転換期だそうだ。正確には風の時代は2020年12月22日から始まり、2024年に本格的にスタートするらしい。
占星術のまた別の区分では、もっと長い2150年周期で移り変わっていくものもあり、例えば「水瓶座の時代」。2000年ごろから、これまでの「魚座の時代」から「水瓶座の時代」に入ったとされている。
その時代ごとに特徴があり、詳しくはないが、「風の時代」「水瓶座の時代」ともに物質や力による支配から解放されて、自由や個人、精神的なものが重視される時代らしい。
西洋文明と東洋文明が800年周期で交代するというような説も聞いたことがある。そして21世紀は、東の文明が夜明けを迎えると。(文明法則史学)
風の時代、水瓶座の時代、東洋文明の時代と、なにやら今、地球は、壮大なパラダイムシフトが起きる転換期の真っ只中のようで、そのような時代の境目を生き抜いて、新しい時代を体験できるとしたら楽しみだ。
哲学の世界でも、ジャン・フランソワ・リオタールという哲学者が「大きな物語の時代は終わった」という言い方をして、次代を予見している。(『ポストモダンの条件』(1979))
"大きな物語"の時代とは、科学技術など人類全体の進歩にフォーカスしていた近代までの時代、みんなが同じ価値観、同じゴール・幸せに向かって必死に頑張って努力していた時代であり、彼はその終焉を提唱した。
国際化や情報化によって様々な価値観も生み出され、私たちは無数にある価値観を認め合いながら共存しなければならなくなり、それは「大きな物語」から「小さな物語」への移行と捉えることができる。一見、全体主義という束縛から解き放たれて、個々人の多様化が認められるという何か晴れ晴れしい待ち望んだ時代のようだが、共通の価値観や正しさが共有されにくい、すがるものがない時代とも言える。
「風の時代」も「水瓶座の時代」も、これからの時代が要求する自由や個人の尊重に伴って、これからは個人個人の責任も問われることになる。「大きな物語の時代」のように、誰か強いリーダーが指さす方に妄信的に進めばいいという時代ではなく、そういった意味では、これからの時代は、他者に影響されない自分軸をしっかり持った自立という目覚めが必要になる時代のようだ。
そして時代の転換期とは、それはまた構造の再築期とも言える。構造が変われば、それまでの構造の中での正解、善、常識、価値、方法など諸々変わる。例えば、これまでの成功法則はこれまでの構造内での話となるかも知れない。但し、今も転換後も外側を見る高い視点が必要なことは変わらないであろう。