対話 #２

愛もまた「これが愛だ」と誰も指し示すことはできません。なので「愛とは何か」を考える時は　愛という言葉がどう使われているかを見ることでしか　それが何なのか知り得えません。日本においてはどうなのでしょう。Wikipediaには次のようにありました。

日本語の「愛」の意味の変遷
恋をしている事。日本の古語においては、「かなし」という音に「愛」の文字を当て、「愛（かな）し」とも書き、相手をいとおしい、かわいい、と思う気持ち、守りたい思いを抱くさま、を意味したという概念を表わす語としては「情」、恋愛に関しては「色」や「恋」という語が用いられることが多く、その概念そのものも欧米のそれとは大きく異なっていた。

近代に入り、西洋での語義、すなわち英語の「love」やフランス語の「amour」などの語義が導入された。その際に、「1. キリスト教の愛の概念、2.ギリシア的な愛の概念、3. ロマン主義小説の恋愛至上主義での愛の概念」などの異なる概念が同時に流れ込み、現在の多様な用法が作られてきた。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%84%9B

最後の「現在の多様な用法が作られてきた。」というところ　興味深く思います。初めから “愛” という何か唯一のものがあったということではなく　作られてきたと。

”愛” という漢字の成り立ちからその意味を調べても面白いですね。
愛は「㤅（アイ）」と「夊」の組み合せ　「旡」「心」「夂」の組み合わせなどと説があるようですが　前者の説では「足取りが重くなるほど胸いっぱいになる切ない想い」　後者の説では「ゆっくり進みながら過去を振り返る心情」を表わす漢字だそうです。

愛とは何か。「6 THE LOVERS（恋人たち）」のカードが表すものが愛で　「15 THE DEVIL（悪魔）」のカードが表すものが悪だとして　この２つを２項対立として見ると　悪は自分のエゴ　自分の欲望を表わし　一方の愛は自分よりも他の誰かを大切に思う気持ちだとも言えます。でも　誰かを大切に思う気持ちが愛とは限らない　ですよね。

だとしたら　マザーテレサの言葉だとされるものに「愛の反対は無関心」という言葉がありますが　逆に　無関心は愛にもなり得るということになります。
同じように悪魔は愛にもなり得て　愛は悪魔にもなり得る。

その一方で　愛が何かを考えるとき　その言葉がどう使用されているかを観察したり分析したりしなければ　本当に愛を知ることはできないのでしょうか。愛とは指し示すことのできない言葉による妄想。しかしそれは確かにあると感じられるもの。たとえそれを自覚せずとも　それはもう既に自分の中にあるもの。『オズの魔法使い』に出てくる　心がないから愛することができないと　心を欲しがったブリキの木こりのように。オズ大王が与えた　指し示すことができる　シルクでできた中におがくずが詰められたハートではなく　涙もろくて繊細なブリキの木こりの中に。

「愛とは　〇〇だ」
著名人たちの　愛についての名言もたくさんあります。人それぞれ　自分の人生の中で見いだした ”愛” なのでしょう。あなただったら　〇〇の中にどんな言葉を当てはめますか。

今のところ　私が辿り着いた ”愛” とは…

自由にさせること。
「愛とは自由にさせること」いかがでしょうか。

愛についての　好きな名言はいくつもありますが　１つここにあげたいと思います。

The best love is the kind that awakens the soul and make us reach for more,  
that plants a fire in our hearts and brings peace to our minds.  
最高の愛とは　魂を目覚めさせ　人を成長させる。
ハートに火をつけ　精神に平安を与える。
-『The notebook』-